元首相イラン訪問

鳩山元首相がイランを訪問しアフマディネジャド大統領と会談したとの報道が新聞等メディアを通してなされています。

欧米が同国の核開発に警鐘を鳴らし制裁措置を講じている最中の訪問だけに、日本政府でも「二元外交」との戸惑いの声が上がっているとも。

石油の大半を中東など外国からの輸入に頼っている本邦としては、現役の総理大臣を派遣してイランの行動に積極的に理解を示すなど秋波を送ったりすることはできないでしょう。一方、元首相の個人的な判断でイランを訪れたり同国の大統領と会談することは目を瞑る目論見であるが、余り耳目を集める発言は謹んで欲しいというところが本音に近いのかな、と感じます。

さて、イランに対して日本よりも厳しい措置を講じている、例えばアメリカや欧州諸国からすると、日本が多少及び腰的な制裁方針であっても同じ船に乗っていると判断される限りにおいては、あまり口出ししたりはしないでしょうが、元とはいえ現与党の首相経験者が「IAEAは公平でない」などと発言したと報じられれば内心「腹立たしい」と感じていても不思議ではありません。

逆に、欧米に対して誠意を示し同様のスタンスでイランに臨んでいるのだという姿勢を見せる必要に迫られ、より厳しい制裁措置や輸出入制限をイランに対して課さざるを得ない、即ち本来目指した国益の保持に反するプレッシャーさえ受けるかもしれません。

こうした繊細な判断と行動が求められるときに、naive或いはnaiveだと思われているトップ経験者が迂闊に出て行くのではなく「その道のプロ」たる外務省関係者或いは商社OBなどが、目立たずに(必要であれば)イランとの関係維持に汗をかくほうが実効が上がるのではないかと感じてしまいます。

リスクをとって決断・行動すべきときと、リスクを回避して周囲の状況の推移を見守るべきときを見分けること、これは外交でも戦争でも経営でも等しく重要なことだと思います。

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